DVを深堀りする

2018年11月29日 10時33分 | カテゴリー: 人権, 活動報告

講師の内藤和美先生と

練馬区男女共同参画センターえーるでの講座「DVを深堀り~身近な人を被害者にも加害者にもしないために~」に参加しました。講師は岩手大学男女共同参画推進室の内藤和美さんです。

女性に対する暴力の背景にあるのは、社会的力(社会資源)の男性への偏りです。DVを無くすには、個々の出来事に対応するのと同時に、それを生み出す構造を変革・解体していかないとなりません。

社会資源は社会課題の解決や特定の目標達成のために用いられる手段です。例えば金銭、意思決定(権力)、情報、知識などが日本ではいずれもおおむね9:1、資産だと99:1で男性に偏っています。講師の長年の調査研究結果に基づく内容に改めて衝撃を受けました。

普段、集団の間では社会的な力関係など意識しません。しかし男女が1対1で関わるとき、強い社会的カテゴリーにいる側は意図せず、時には意図して、立場の優位性を利用(悪用)してしまいます。それによりDVなど女性に対する暴力が起こることが多いのです。

そこから男性の優位性を振りかざす言葉の暴力「女に何ができる」「女は理屈を言うな」、経済的な優位性を振りかざす言葉「誰のおかげでこんな良い暮らしができるのか」などが出てくるということです。

DVの根絶のためには社会全体と個人の両方の視点を持った取り組みが必要です。「社会関係、社会構造を変えていくための政策」の担い手は個人に起きている事への視点を持つ。「個々の被害者の支援」の担い手は、個人に起きていることがらだけを見て対応するのではなく社会全体の構造の視点を常に持つ。この両者がつながって取り組まなくてはなりません。被害者が自身の息苦しさや困難が、自分のせいやたまたま起こったことではなく、背景にある社会関係、社会構造から起きていると気づくだけでもエンパワーメントにつながります。

練馬区は第4次練馬区男女共同参画計画で配偶者暴力等防止と被害者支援の充実の様々な目標を掲げています。被害者を支援、逃げるだけで終わらせるのではなく、身近な人を加害者にしないことが重要です。若者へのデートDV予防講座や、加害者更生プログラムの活用などの実施も必須です。DVもセクハラも個人の問題ではなく社会の問題です。誰もが安心して暮らせる地域社会に向けて複眼の視点を忘れず取り組んでいきます。